すかいらーくHD24時間営業廃止に見る時代の変化と日本らしさを考える
ファミリーレストランチェーンの最大手であるすかいらーくが、24時間営業を廃止することを決めました。
近年話題になるコンビニ業界の運営方針のニュースに続き、他の業界への影響も含めた転換期に入ったといえるでしょう。
すかいらーくの24時間営業とその背景を考えてきましょう。
(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)
目次
すかいらーくHD 24時間営業廃止のニュース概要
すかいらーくの24時間営業廃止に関し、分かっていることをまとめます。
- 2020年4月までに24時間営業を廃止
- 1972年から展開していた形態の終焉
- 2012年ごろから営業時間の短縮を進めていた
- すかいらーくグループのチェーン店全体の総営業時間は1,300時間程度短くなる
このように、すかいらーくの長らく続いた経営モデルそのものが大転換を迎える内容です。
かつては若者のたまり場的な用途で使われた深夜営業も、「昔は夜中もずっとファミレスはやっていたんだよ」と思い出話になるのかと、感慨深いです。
すかいらーくHD 24時間営業廃止に見る時代の変化
すかいらーくが24時間営業を廃止するのには相応の背景があります。
ニュース記事でみる解説は、大まかに以下のような理由に大別されています。
人手不足と人件費高騰の波が外食産業を直撃
もはや
- 人手不足
- 人件費高騰
は一時的ではなく当たり前になりました。
人手がいる業種においては常に人を募集しています。
この波はコンビニやレストラン業などの昔からあるビジネスモデルも例外ではありません。
特に人が不足しがちな深夜は、夜間の割増賃金のインセンティブがあっても、人手不足の深刻さには敵わなくなったといえます。
24時間営業のビジネスモデルが限界に
深夜営業があるお店は、常に人のやりくりに苦労しています。
どうしても人がいない場合は、店長が心身を削りながら店頭に立っていることも珍しくありません。
そんな状況が世の中に知れ渡ると、店長のなり手がいなくなり、さらに現場が疲弊する「負のスパイラル」に陥ります。
長らく当たり前の 「24時間営業を前提としたビジネスモデル」は限界を迎えています。
すかいらーくHD 24時間営業廃止の日本らしさ
断腸の思いで決断したであろう関係者には申し訳ないのですが、「何だか日本的だなぁ」と感じる様子が伺えます。
ここでは日本らしさについて触れていきましょう。
“先行者”がいてはじめて実施に踏み切る施策
24時間営業をやめる流れは、レストラン業が初めてではありません。
コンビニ各社において、試験的ではあるものの見直しが進んでいます。
このような“先行者”がいてはじめて「それなら我々がやっても問題ないかな」と追随するのは何とも日本的です。
やると決めたら“全店一斉”の実施
会社は営利を追求する組織である以上、一部の店舗を24時間営業のままにしても良さそうなものです。
すなわち
- 夜間の人件費を含めた費用対効果
- 人手不足の度合いに応じた運営
- 都市部や郊外といった地域性
を考慮して店舗ごとに24時間営業の可否を決定することも考えられます。
それでも廃止を決めた以上は全店一斉が基本線のようです。
やると決めたら一律の適用をするのは、これまた日本的な決定の臭いがします。
すかいらーくHD 24時間営業廃止に見る時代の変化・まとめ
準備中