ローソンのPB(プライベートブランド)論争はそもそも何が論点だったのか?
今や生活に欠かせない存在のコンビニエンスストア(コンビニ)。
コンビニにまつわる話題は、その身近さもあって、議論を呼ぶことがあります。
ローソンで展開されているPB(プライベートブランド)商品のパッケージについて、賛否両論の議論がありました。
とはいえ立場によって論点があり、これを整理しないと問題点が見えにくい部分もあります。
このあたりを整理しつつ、一緒に考えていきましょう。
(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)
目次
コンビニ利用者層と求める役割の違い(真逆の意見)
まず一口に消費者の立場の中でも、コンビニ利用について求める役割によって真逆の意見が出ています。
コンビニは日常の買い物をする場所と考える人の意見
コンビニは日常の買い物をする場所と考えれば、ぱっと見で「何が売っているのか」が分かることが重要です。
カップラーメン一つ買うために目を凝らして味を確かめるのはムダなひと手間。
近年急速に高齢化が進んでいます。
目の悪いお年寄りのためにも必要性はさらに高まっているといえるでしょう。
いわゆる視認性の重要度は店舗で軽視してはいけないのです。
自宅のものには統一感とインスタ映えを求める人の意見
ライフスタイルとして家の中に統一感を持たせたい人の中には、インテリアとも調和するパッケージを歓迎する声があります。
全体として原色が目立たないパッケージですから、このような方には好評になるのも分かります。
会社のブランディング戦略と働く店員の視点
ローソンの社長が自らコメントするほどの批判があったPBパッケージの件について。
当然、会社は良かれと思ってやっているのでしょう。
一方で、客の立場以外にも現場で働く人の問題についても指摘があるようです。
会社のブランディング戦略も理解はできるが…
企業のブランディング戦略として、商品パッケージの統一感は大きな影響を及ぼします。
しかし、このようなパッケージの統一感について思い浮かべる人も多い「無印良品」と比較するとどうでしょうか。
無印良品の店内は、売り場全てに統一感があり、それはどの店舗も同じです。
一方ローソンは、既存の商品とPB商品が混在しています。
客層についても「無印良品のファンだから足を運んでいる」ような店とは明らかに違います。
結論として、すべてが中途半端に見えてしまうのが残念な結果を招いているといえるでしょう。
コンビニで働く店員の負担
コンビニで働く人にとっても視認性の悪いパッケージは取り扱いが難しくなります。
陳列など一つ一つはわずかな負担でも、毎日のことになると無意識レベルの普段は侮ることができません。
それが日本語に慣れていない外国人の方であればなおさら。
残念ながら、働く人に優しくない結果になってしまいました。
コンビニに求められる役割と多様性
既に全国展開が終わり、飽和状態にあるともいわれるコンビニ業界。
今後の展開はどうなっていくのでしょうか。
インフラの役割を担うコンビニに求められるもの
同じ条件であれば「おしゃれではない」より「おしゃれ」の方がいいと考える人は多いでしょう。
しかし、インフラの役割を担うコンビニにおいて、客の利便性を奪ってまで行う行為には賛成できません。
今では生活に欠かせることのできなくなったコンビニには、高い期待値が求められています。
ぜひ経営者層の皆様には再考をお願いしたいところです。
多様性と地域性でカスタマイズが必要なコンビニ
かつてのコンビニは全国どの店舗でも同じクオリティで勢力を拡大してきました。
一方で近年は、多様性と地域性でカスタマイズした店舗も増えています。
すなわち
- 外国人の生活様式(宗教・食事)
- 子育て世代や高齢者に合わせた運営
など、かつての日本では意識されることが少なかった視点です。
ローソン竹増社長の見解は?
日常との関わりが深いテーマなだけに、ローソンの竹増社長にも多くの声が届いているようです。
こちらの企画もぜひご覧いただくと、会社トップが何を考えているのかが見えてくるでしょう。
ローソン竹増社長が自身の言葉で今回のPBデザイン批判について語る。まずはそのコミュニケーション自体が素晴らしく、尊敬します。そしてこの企画をされたハフポスさんにも。https://t.co/6zGcbqFixz
— 家入 一真 / CAMPFIRE CEO (@hbkr) June 9, 2020
2020年6月16日追記:ローソンと良品計画の提携ニュース
「ローソンのPBパッケージはこれの布石だったのか! 」の声がSNSで盛り上がりました。
その概要とSNS上の声を紹介します。
ローソンと良品計画の提携・概要
ローソンと良品計画の提携について
- 一部の店舗に生活雑貨「無印良品」の商品を置く
- 日用品などPB(プライベートブランド)商品の開発に乗り出す
の話が具体化しているようです。
新型コロナウイルスで消費行動が変わり、身近なコンビニで生活必需品をまとめ買いする傾向が強まっています。
人口減で大量出店による成長が見込めない時代なりました。
いわゆる「協業」で商品を拡充する動きは、今後他のコンビニでも広がっていくかもしれません。
ローソンと良品計画の提携・SNS上の声
ローソンと良品計画の提携について、速報の出た当日からSNS上で多くの声が上がりました。
共通の声をまとめると
- 無印が好きだから、ローソンで取り扱いがあるのは嬉しい
- 去年ファミマと別れたと思ったら新恋人はローソンだったか
- PBパッケージが無印っぽいと思ったら、まさか提携するとは
といった内容が目立ちました。
ローソンのPB(プライベートブランド)論争はそもそも何が論点だったのか?・まとめ
ローソンのPBについて、複数の視点から考えてきました。
2020年6月現在、今後のリニューアルについて話も出ていますので、ある意味今のパッケージは貴重なものかもしれません。
一度店舗で確認してみてはいかがでしょうか。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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