三井物産「30歳で部長級も」新人事制度に感じること

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国家試験の勉強に挫折した“資格崩れ”から立ち直り、経理を筆頭に事務仕事を複数経験した男性。女性の多い職場で立ち回って(?)きました。仕事術・挫折からの復活・その他の分野について、複数のブログを運営中。

2021年4月、『三井物産「30歳で部長級」もある…新人事制度、昇進期間は半分に』の記事が話題となりました。

日本企業の人事制度が転換点を迎える中、一つのモデルとして定着するのでしょうか。

(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)

三井物産の人事制度概要

三井物産は2021年4月から人事制度を見直し、若手でも実績に応じて管理職に登用する仕組みを導入しました。

 

その概要は以下の通り。

  • 新たに導入した「キャリアチャレンジ制度」は入社4年目以上の若手社員が対象
  • 通常は管理職が担当するプロジェクトを任され、2年間で成果を出せば正式に管理職に登用する
  • 最速で8年目以降に部長クラスの権限や待遇を受け、10年目には昇進できる

この制度により、これまでの最速16年目以降から期間が半分程度になるとのことです。

三井物産の人事制度に対するSNSの反応

このニュースに対する世間の注目度は高く、各種SNSでの言及やネットニュースのコメント欄に感想が書き込まれていました。

代表的な内容を紹介していきます。

どちらかと言えば厳しい見方が多いようです。

社員個人についての言及

  • 年齢に関係なく実力があり成果を出している人を出世させることは公平だ
  • プレイヤーとしての能力とマネジメント能力は別物である
  • 果たして管理職になることをモチベーションに若手社員が頑張るのかは不明

会社組織についての言及

  • 現在主力なるべき世代の空洞化が起きておりそこの解決なく進めても意味がない
  • プレイヤーとして優秀であるほど部下を守ることに対して無頓着になるのでは?

三井物産の人事制度にまつわる各種視点

上記の声とも関連して、各年代の社員における視点から問題点を考えていきます。

登用対象となる若手社員の視点

まず、「現場で結果を出すことができれば管理職として登用される出世ルート」を今時の若者がどう考えているか、が問題になってきます。

そうでなければ、給料は上がっても責任は重く長時間労働になり人生の満足度が低くなる結果となります。

既存の若手〜中堅社員の視点

イケイケドンドンの昭和的価値観が強い若手社員が管理職として求められるようであれば、既存の社員にとって厳しい環境になってしまうでしょう。

一方で、多くの社員にとって働きがいのある環境を作ることができる人が登用されるようならうまくいくいかもしれません。

既存の中堅〜ベテラン社員の視点

既存の中堅からベテラン社員の中には、

従来型の年功序列制度を前提とした人事制度により“順番待ち”をしていた社員

もいるでしょう。

このような人にとって、今回の新人事制度はハシゴを外された状況になる可能性があります。

会社がこのような人を切り捨ての対象と考えているようであれば、その意味で一石二鳥になり得ます。

いわゆる就職氷河期世代以上の年代にとっては厳しい話ですし、昇進のために理不尽にも耐えてきた苦労が報われません。

三井物産「30歳で部長級も」新人事制度に感じること・まとめ

年齢に関係なく実力のある人が出世するのは合理的なようにも思えます。

しかし、実際にそれが機能するかは別。

色々と問題点もありますが、一つのモデルとして注目すべき制度であるのは間違いないでしょう。

引き続き、このトピックは追っていきたいです。

それではまた別の記事でお会いしましょう。

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