「やる気のない部下」を生み出す上司・会社のNGパターン
部下にまつわる悩みの代表的なものとして
やる気のない部下
の問題があります。
本人だけならまだしも、時には周囲にまで悪い影響を及ぼすことがあり、頭を抱えていることもあるでしょう。
ただ、これは本人にばかり責任があるわけではなく、環境によって変わってしまったのかもしれません。
考えてみれば、新入社員がいきなり「やる気がない」ことはほとんどありません。
多くの人はやる気に満ち溢れた状態で入社してきますよね。
では、どのようなきっかけで「やる気のない部下」が生まれるのでしょうか。
- 上司の発言
- 上司の姿勢
- 会社のNG文化・体質
に分けてお伝えしていきます。
相互に関係し合う内容になりますので、最後まで読んだいただくと傾向がつかめるはずです。
(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)
目次
「やる気のない部下」はどのようにして生まれるか
入社直後からやる気のない人は少ないものです。
では、どのようなタイミングで、あるいはどのようにして「やる気のない部下」は生まれるのでしょうか。
“配属ガチャ”他、条件面でのやる気喪失
入社直後に行われる新入社員研修後、それぞれの場所で仕事を始めることになります。
その際、いわゆる“配属ガチャ”によって
- 思わぬ僻地での業務
- 思わぬ職種の業務
をやることになれば、当初のやる気はしぼんでしまうかもしれません。
考えてみれば、就活を進めるにあたってキャリアプランと真剣に向き合い、面接で披露してきたことでしょう。
にもかかわらず、まるでそれが実現しないことを望むような会社の姿勢は問題があります。
他にも、当初提示された条件とは異なった内容で仕事をすることになる場合もあります。
多くの場合、新入社員はその弱い立場から泣き寝入りしがちです。
やはり会社への不信感から、やる気に悪影響が出るのも当然と言えるでしょう。
ある程度仕事に慣れてきた「やる気のない部下」
新卒入社もしくは中途入社を問わず、入社直後はやる気に満ちあふれているものです。
新しい仕事を覚えるために一生懸命働き、細かいことは気にならないもの。
しかし、ある程度仕事に慣れてくると、様々なことが気になり始めます。
- 今の給料でこれだけ働かされるのは不公平ではないか
- 理不尽な目にあうことが多い(これから紹介するNGパターンの代表格)
といった、やる気に関係する内容と向き合うことになるでしょう。
理不尽な目にあうのは、様々あるNGパターンの代表格にして内容を集約したようなものです。
それまではがむしゃらだったことを理由に気にならなかっただけなのですね、
従順になった社員は転職を考えている社員
ある程度仕事に慣れてきた部下以外にも、このようなパターンがあります。
それは「以前は反抗的であったが、急に従順になった社員」。
多くの場合、このような部下の姿勢を目の当たりにすれば「やっと上司のことを理解してくれたか」と、安堵するかもしれません。
しかし状況としては逆です。
すなわち
- 今の勤め先に見切りをつけた
- 転職を考えているor既に転職活動を進めている
- もはや上司は反抗する対象ですらない
といった状況に変わったわけですね。
この辺りを誤解すると、ある日突然退職の意思を告げられて驚いてしまうでしょう。
「やる気のない部下」を生み出す上司の発言
部下のやる気については、「やる気を削ぐ言動は慎む」ことが大原則です。
逆に上司の無神経な発言によって「やる気のない部下」を生み出すのは簡単。
具体的な内容を見ていきましょう。
「自分で考えろ」と「言われたことだけやれ」の二枚舌発言
人に対しての接し方の中で、不信感を与えやすいものに
- 部下の質問に対して→自分で考えろ
- 部下の自発的な行動に対して→言われたことだけやれ
の二枚舌発言があります。
何をしてもケチがつくのなら頑張るなんてバカバカしいよね、となるのは自然なことでしょう。
各種「報連相」もできるだけせず、上司との接点は極力減らしていくのが行動規範となります。
やる気なしの決めつけ発言「やる気がないなら帰れ」「やる気を出せ」
多くの人が学生時代に一度は目にしたことがあるであろうシチュエーションを紹介しましょう。
それは、教師による
- やる気がないなら帰れ
- やる気を出せ
といった高圧的な物言いです。
教師-生徒の支配従属関係を利用した行動ですね。
これが社会に出てからも悪用されているわけです。
上司自身ができていない社会人としての姿勢(ご高説)
例えば、子どもの頃に「勉強しなさい」と言われて反発心が湧き上がった経験はありませんか?
多くの場合
- そう言う自分はどうだったんだよ
- 自分のことを棚に上げやがって
と逆効果にしかなりません。
たとえ大人になっても、人の本性などなかなか変わらないものです。
やはり物申したくなるのをこらえ、お手本を見せ続けるしかありません。
「やる気のない部下」を生み出す上司の姿勢
続いて「やる気のない部下」を生み出す上司の姿勢です。
上司の発言と相まって、部下のやる気削いでいく内容のオンパレード。
上司自身は気がついているのかいないのか、部下との距離感は遠くなっていくばかりでしょう。
上司自身の言行不一致は最悪の姿勢
既に紹介した発言とも関連するお話です。
例えば、人に対しては時間を守ることの重要性を指摘しながら、自分は時間にルーズな上司に対してどう感じますか?
あまり気にしない人もいるかもしれませんが、言行不一致については多くの人は反感を覚えるはずです。
立場上、上司は人に対して指導する機会があるのは避けられません。
それならば、完璧とまではいかなくとも、お手本となるべき行動が求められるわけです。
適切な距離感を保てない姿勢(過干渉・放置プレイ)
適切な距離感を保てない姿勢は、部下のやる気に悪影響を及ぼします。
具体的には、“過干渉”であったり逆に“放置プレイ”になってしまう状況です。
これが難しいのは、人によってモチベーションがプラスになるパターンが異なること。
この辺りは、それぞれの関係性の中で良い距離感を探っていくしかありません。
部下を評価しない・労うことを一切しない姿勢
会社で働いている時、ミスに対しては指導が入ったり叱責されることがあります。
一方で、しっかりと仕事をやり遂げたことに対しては「当たり前」のこととして、何もないのが普通。
つまり、常に減点方式の評価しかないわけです。
もちろん幼児のように褒められたいわけではないにしろ、たまには評価やねぎらいがあってもいいのでは? と感じても、それは感情として自然なことでしょう。
「やる気のない部下」を生み出す会社のNG文化・体質
「やる気のない部下」を生み出す会社のNG文化や体質が存在します。
上司を含めた会社全体に蔓延すると、多くの部下にとっては過ごすことが苦痛なものになるでしょう。
えこひいきが激しく公正な評価が期待できない
「いくら頑張っても評価の対象とならない」「数字の根拠があっても意味がない」ような環境でやる気を…と言われても困ってしまいます。
さらに、明らかに結果を出していないような人の評価が高いことが分かってしまった場合、会社や上司に対する不信感は高まるでしょう。
えこひいきが激しく公正な評価が期待できない会社では、やる気のない部下が増えても仕方ありませんね。
「頑張ってもムダ」と常日頃感じる環境
仕事が大変であっても、頑張りが何らかのカタチで報われると感じることができれば、やる気は続くものです。
逆に、「頑張っても無駄」と感じることばかりであればやる気は急速に失われていきます。
明らかに仕事をしていない上司の給料が高く、一日中奔走している部下の給料が安ければ虚しさばかりが募ってしまうでしょう。
上司のミスは部下の責任、部下の成果は上司の手柄など、思い当たるフシのある部分もあるのではないでしょうか。
経営者一族による会社の私物化
様々なNG体質を引き起こしがちな状況として「経営者一族による会社の私物化」があります。
そもそもスタート時点において、能力や将来性に関係なく「親族だから入社できた」ことが起こりますね。
他にも、代表的な項目だけでも
- どんなに無能でも役員は経営者一族ばかり
- あからさまに経営者一族とその他の人で待遇が異なる
- 経営者一族によるコンプライアンス違反や各種ハラスメントが横行している
- 社員ではない経営者一族の人間がなぜか出入りしている
など、うんざりする内容が溢れています。
これで「やる気を出せ」など、到底無理な話でしょう。
「やる気のない部下」ばかりでも仕方ない環境で働いているのなら
「やる気のない部下」ばかりに囲まれている上に、上司であるあなたがその部下から疎まれる環境は嫌なものです。
「文句を言いたいのはこっちだよ」と。
上司の身の振り方を考えていきましょう。
「経営者一族による会社の私物化」のある会社で中間管理職は辛い
上には絶対的な権力を行使する経営者一族がおり、中間管理職はそのスピーカーになってしまった場合。
むちゃくちゃな指示に対して異常性を感じながらも、それを部下に対して伝える役割に担うことになります。
典型的な板挟みですね。
部下としては、心のどこかで「ただ上の命令で言わされているだけ」と分かってはいるでしょう。
しかし、どうしても反発心を直属の上司に持ってしまいがちです。
よほど割り切りができる上司でないと、かなり辛い立場になってしまうでしょう。
「やる気のない部下」が多いのは上司であるあなたのレベルに応じた環境?
「やる気のない部下」に対して嘆いている上司に対し、このような毒が吐かれることがあります。
それは
上司には、そのレベルや人間性に見合った部下が集まる
ことです。
そもそも会社についても、ダメな会社には優秀な人など来ないと指摘されることがあります。
しかし、あなたが優秀な上司であれば不快に思われるの分かります。
「明らかに上司である自分に見合った部下がいない」と。
本当のあなたに見合った環境を手に入れるための転職
上司の立場であるあなたは「やる気のない部下」に囲まれているものの、本来の自分に見合った部下ではなく、不当な環境にいると確信している。
そうであるならば、「正しい評価」がなされる会社に行くしかありません。
転職活動できちんと能力と実績をアピールし、ご縁があればきっと新天地があなたの居場所になるはずです。
「やる気のない部下」を生み出す上司・会社のNG 3パターン・まとめ
●「やる気のない部下」はどのようにして生まれるか
- “配属ガチャ”他、条件面でのやる気喪失
- ある程度仕事に慣れてきた「やる気のない部下」
- 従順になった社員は転職を考えている社員
●「やる気のない部下」を生み出す上司の発言
- 「自分で考えろ」と「言われたことだけやれ」の二枚舌発言
- やる気なしの決めつけ発言「やる気がないなら帰れ」「やる気を出せ」
- 上司自身ができていない社会人としての姿勢(ご高説)
●「やる気のない部下」を生み出す上司の姿勢
- 上司自身の言行不一致は最悪の姿勢
- 適切な距離感を保てない姿勢(過干渉・放置プレイ)
- 部下を評価しない・労うことを一切しない姿勢
●「やる気のない部下」を生み出す会社のNG文化・体質
- えこひいきが激しく公正な評価が期待できない
- 「頑張ってもムダ」と常日頃感じる環境
- 経営者一族による会社の私物化
●「やる気のない部下」ばかりでも仕方ない環境で働いているのなら
- 「経営者一族による会社の私物化」のある会社で中間管理職は辛い
- 「やる気のない部下」が多いのは上司であるあなたのレベルに応じた環境?
- 本当のあなたに見合った環境を手に入れるための転職
「やる気のない部下」について、上司・会社のNGパターンを紹介してきました。
やる気を出させるのは難しい一方で、やる気を失わせるのは簡単なのがやっかいなところです。
あなたが上司として部下のパフォーマンスを引き出したいのであれば、せめて「マイナスになる要素をできるだけ排除する」ことに努めてみてください。
なお、部下・後輩に対してのストレス全般について、考え方と対処法をまとめています。
ぜひ合わせてご覧ください。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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