「つながらない権利」にまつわる現状と権利確立のためにできること
ワークライフバランスの概念が社会に浸透する中、近年知られることになってきた「つながらない権利」はご存知でしょうか。
海外では、それぞれの企業任せにせず制度化する国も出始めています。
今回は「つながらない権利」について、その現状と権利確立のためにできることを紹介します。
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目次
「つながらない権利」にまつわる現状
「つながらない権利」について、なぜこれが話題となっているかの背景を探っていきます。
「つながらない権利」とは
「つながらない権利」とは「労働者が勤務時間外には仕事のメールや電話などへの対応を拒否できる権利」のことです。
メールやLINEは対面や電話と異なり、いつでもアクションを起こすことができるメリットがあります。
その反面、時間外や休日であっても連絡ができる点で、連絡を受けた側にリアクションをするプレッシャーが生じることになります。
オンオフのない仕事環境の問題点
その日の仕事終了後あるいは休日であっても、会社の携帯電話(スマホ)を持たされている場合、連絡手段があることになります。
そのような環境において、労働時間外でも電話に出たりメール返信をするよう求められてしまうと、以下のような問題が生じます。
- 四六時中、心のどこかで仕事のことを考えることになってしまう
- 実際に連絡があった場合、それに対応することになる
- 「可能であれば対応して」といった“お願いベース”であっても、主従関係がある中では難しい
テレワークによって加速するオンオフのない仕事環境
コロナ禍が長引く中、働き方としてのテレワークが広がっている時代において、さらに「つながらない権利」に注目が集まるようになってきました。
というのも、ただでさえテレワークによって公私の区別が難しくなる中、労働時間が際限なく増える人が出てきたからです。
「つながらない権利」確立のためにできること
では、「つながらない権利」確立のためにできることはどのようなことなのでしょうか。
「つながらない権利」確立のために労使間で話し合う
権利の確立のためには、注意喚起だけでは不十分です。
また、フランスを筆頭として国を主導に対策する動きもある中、日本ではまだまだ企業まかせの部分があります。
労使間において、権利確立のために話し合いを行い、ルールを定めることをしなければなりません。
「つながらない権利」を実効力あるものにするために体制の整備を行う
仮にルールを作ったとしても、これを実行力のあるものにするためには、高いハードルが存在します。
例えば、仕事における属人化の要素が強い職場では、「担当者以外誰も分からない」ことが多数出てきます。
担当者が休みの日に緊急性のある物事があれば、どうしても聞かざるを得ないでしょう。
ですから、属人化の要素をできるだけ減らし、「今日いる人」だけで何とかなる体制を作っていく必要があります。
「つながらない権利」は上司部下の双方向に関わるものである
「つながらない権利」は上司部下の双方向に関わるものです。
管理職、特に役員クラスともなれば、完全に「つながらない権利」を保証することは難しいでしょう。
それでも、365日仕事のことを考えなければならないようであれば、それは健全とはいえません。
「つながらない権利」にまつわる現状と権利確立のためにできること・まとめ
「つながらない権利」について考えてきました。
今後、会社の満足度にも大きく関わる論点になってくる可能性が高い内容です。
あなたの労働環境ではいかがでしょうか。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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