「安定している会社」って何? 「やりたいこと」より重要な意味を本気で考える

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国家試験の勉強に挫折した“資格崩れ”から立ち直り、経理を筆頭に事務仕事を複数経験した男性。女性の多い職場で立ち回って(?)きました。仕事術・挫折からの復活・その他の分野について、複数のブログを運営中。

就職を控えた学生さんにとって「就職先がどんな会社か? 」というのは、かなり大きなウエイトを占める関心ごとです。

近年、一時期のやりがい重視の反動からか「安定している会社」であることを重視する考え方が広がってきました。

ただ、そもそもこの「安定している会社」とはどのような会社なのでしょうか。

 

安定を昔ながらの意味に捉えるだけでは、「こんなはずではなかった」と、5年後10年後に後悔することになりかねません。

 

今回は、そんな「安定している会社」について考えていきましょう。

(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)

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「安定している会社」からイメージできること

就活生に対するアンケートでは、「安定している会社」を希望している場合であっても、当然のその意味を説明することはありません。

ですから、同じ安全という日本語であっても、そこには人それぞれの解釈があります。

あるいはアンケートを実施した機関による意図的な解説があるかもしれません。

ここでは、自由回答でよく出てくる回答から、その意図を考えてみます。

一定水準以上の業績を出し続けている倒産しない会社

真っ先に挙げられるのが「倒産しない会社」でしょう。

事業が継続できないのであれば、そこにいる社員は当然放り出されるわけです。

一時的に失業保険などで守られることはあっても、基本的には今後のことを自分で何とかしないといけません。

 

ニュースで取り上げられるような苦労話を見るたびに「安定している会社」→「倒産しない会社」がいいと感じるのは自然なことかもしれません。

「ブラック企業」ではない会社(厳しいノルマなど)

すっかり一般用語として定着した感のある「ブラック企業」。

程度によっては命にも関わるような肉体的・精神的な過酷さを伴う仕事は避けたいところです。

そうであれば、最低限のゆとりがある環境をもって「安定している会社」と捉えることができるでしょう。

就活関連の掲示板などでも、ブラック企業については活発な情報交換が行われており、関心が高いといえます。

厳しいノルマがない

→ブラック企業ではない

→安定している企業

のロジックは、若い世代ほど実感できる考え方と言えるでしょう。

一つのことを身につければやっていける会社

多くの人は環境の変化に対して抵抗をしたり、苦痛を感じたりするものです。

できるならば、今の環境のまま変化をせずに、それでいて給料は上がっていくのを夢見てしまうのもありがち。

特に、年齢を重ねていくと変化への適応力も落ちてきて、定年まで“逃げ切り”を図りたくもなってきます。

 

後ろ向きな面はあるものの、一つのことを身につければ他のチャレンジをしなくてもやっていける会社というのは安定の一形態ではあるでしょう。

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「安定している会社」は幻想だ

ここまで取り上げた安定は、かつての時代は多くの人が恩恵を受けることのできた内容でもあります。

ただ、もはやそれが幻想であることは特に若い人を中心に感じていることでしょう。

それは「ずっと安定している会社」は誰にも分からない、そもそも安定の意味が変わっていることからも明らかです。

「ずっと安定している会社」は誰にも分からない

かつて、メガバンクや大手電機メーカーは親御さんが最も安心しかつ誇ることのできる就職先できた。

しかし、時は流れどうなったかといえば、事業縮小やそれに伴うリストラなど、先の見えない状況になっています。

これから就職する人にとっては、定年まで勤め上げる会社とイメージすることは難しくなっています。

 

このことからも、「ずっと安定している会社」など誰にも分かりません。

 

さらに、技術革新が進み一昔前ならマンパワーでなんとかしてた仕事がAIに置き換わるような流れも起きてきます。

安定の概念がさらに崩れていくのは容易に想像できるでしょう。

そもそも安定の意味も変わっている

さらに、そもそも安定の意味もかつてのようには捉えることが難しくなっています。

同じくメガバンクと大手電機メーカーを例に考えてみましょう。

戦後、一億総中流家庭と呼ばれた時代にはみんなが同じような人生のレールを進み、同じようなモノに憧れてきました。

ですから、ある年齢で住宅ローンを組むことでマイホームを買い、一通りの家電を揃えるのが当たり前だったのです。

しかし、現代は人生のレールが一つではありません。

 

多様な生き方と価値観が交錯し、当たり前の概念が薄れています。

 

「このサービスを続けていれば」「これを作り続ければ」いつまでも儲かることはあり得ないのです。

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これからの「安定している会社」とは?

旧来型の安定がなくなったとしても、もはや安定がどこにもないのかといえばそうではありません。

これからの時代、以下のような安定を意識することで、変化に対応した働き方と生き方を実現することができるでしょう。

変化し続けることで環境に対応することができる会社

これからの時代、安定している会社とは「変化し続けることで環境に対応することができる会社」です。

 

決して、そのままでいることが安定ではありません。

場合によっては、かつて大成功した商品やサービスを捨ててでも変わらなければいけないことがあるかもしれません。

そんな時、「前例がない」「失敗したらどうするんだ」という“事なかれ主義”でガチガチになっていると、いつしか取り返しのつかないことになるでしょう。

転職をしても他社でやっていける能力を身につけることができる会社

これは、会社で働く社員にフォーカスした考え方です。

これまでの安定は、一度環境に慣れてしまえば長く勤めることが可能でした。

 

しかし、知識や技能の陳腐化が激しい時代、決して大げさではなく「一生勉強」が必要な時代といえるでしょう。

 

ですから、転職をしても他社でやっていける能力を身に付けることができる会社こそ、安定している会社なのです。

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まとめ

ここまで、安定の意味について今までの時代とこれからの時代に分けて考えてきました。

まだまだ旧来型の安定を望む人もたくさんいるかもしれません。

ただ、「昔は良かった」と嘆くのはもはや進歩ができない人の常套句。

 

これから輝くことを目指す人は、変化の時代も新しい安定で乗り越えていきたいものです。

 

それではまた別の記事でお会いしましょう。

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