【数値で証明】「富士通・配置転換5,000人」は単なる余剰人員の削減である【続報あり】

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国家試験の勉強に挫折した“資格崩れ”から立ち直り、経理を筆頭に事務仕事を複数経験した男性。女性の多い職場で立ち回って(?)きました。仕事術・挫折からの復活・その他の分野について、複数のブログを運営中。

どうも。

ジドウ( @jidou_jimu )です。

企業の間接部門で働く人にとって、なかなかインパクトのあるニュースがありました。

富士通、配置転換5000人規模ITサービス注力で』というものです。

 

このニュースについて、インターネット上では

  • 利益を生まない間接部門なんてそりゃいらない
  • 今から配置転換なんて無理だろ

といった感想がほとんど。

 

まるで、間接部門のほとんど全員がいなくなるような雰囲気です。

ただ、このニュース本文と公表されている「有価証券報告書」を数値ベースでみると、まったくそんなことはありません。

 

「5,000人」からもたらされるインパクトは実は幻想で、間接部門経験者に言わせれば「余剰人員の中でもさらに余剰部分をリストラするにすぎない」内容です。

 

具体的に見ていきましょう。

(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)

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富士通・配置転換5,000人は「辞めさせる口実」

「富士通・配置転換5,000人」のニュースにおける要点は以下の通り。

  • 2020年度めどにグループ全体で5,000人規模を配置転換(ITサービス事業へ)
  • 対象は人事・総務、経理などの間接部門に在籍する社員
  • 研修を通じて営業やシステムエンジニア(SE)への転換を促す

さすがに言葉を「額面通り」に受け取る人はいないでしょう。

  • 元々経験はあるが、何らかの事情で間接部門いる社員
  • 研修や自己学習の努力で間に合わせる社員

が50人に1人ずついて、100人中2人が現有戦力と遜色ない実力を発揮。

計算上5,000人中100人が配置転換に成功すれば御の字と言えます。

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富士通・配置転換5,000人の“無理ゲー”度合いを考える

この50人に1人が多いか少ないかの判断はあなたに任せるとして、結局お伝えしたいことは配置転換で戦力化することは基本的に“無理ゲー”ということ。

配置転換の対象は、間接部門で余剰と会社が判断した人です。

 

しかも、どうやら富士通において間接部門にいる人の一定数は「現場で使い物にならなかったから間接部門に回した」側面もあるようです。

 

では、そのような人がまた現場に戻るとすれば…。

 

単なるたらい回しですよね。

 

結局、転職の支援をするという名目で大半の人はリストラとなるわけです。

では、ほぼ丸々5,000人がリストラされたとして、その後の間接部門はどうなるのでしょうか。

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富士通・配置転換5,000人と間接部門の今後〜それでも人は多い〜

富士通の「有価証券報告書」によると、2018年3月末におけるグループ全体の従業員数は140,365人でした。

そのうち、当該記事において「対象となる間接部門にはグループ全体で約2万人の社員がいる」と記載されています。

 

ですから、削減前と削減後の間接部門の社員が占める割合はこうなります。

  • 削減前:約20,000人÷140,365人=約14.2%
  • 削減後:約15,000人÷140,365人=約10.7% (※仮に全員残り「分母」が変わらなかった場合)

間接部門が占める社員の割合は、業種業態や会社ごとの事情によっても様々で「適正割合」を示すのは難しいと言えます。

 

それでも、いくつかのサイトを閲覧しわたし自身が上場企業で働いてきた経験を擦り合わせると、3〜5%でやっていけるかなという印象です。

 

さらに、富士通公式ホームページの「サービス」を見ると

  • デジタルビジネスプラットフォーム
  • AI(人工知能)

の文言が踊っています。

 

そのような企業なら、他の業種と比較しても間接部門の人員は少数精鋭でもよさそうなもの。

 

それにもかかわらず削減後で10%を上回る割合というのは、明らかに間接部門の人員が多すぎます。

 

このように、「5,000人」からもたらされるインパクトは実は幻想で、間接部門経験者に言わせれば「余剰人員の中でもさらに余剰部分をリストラするにすぎない」内容だと言わざるを得ないのです。

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「富士通・配置転換5,000人」は単なる余剰人員の削減である・まとめと続報

富士通、配置転換5000人規模ITサービス注力で』の記事と公表されている資料から、富士通における間接部門について考察してきました。

 

企業を取り巻く数値や金額は、その大小だけではなく割合をパーセンテージで求めてみるとあぶり出される“真実”が見えたりもします。

 

そのヒントにもなり得る思考は、普段からアンテナを立てることで身につけることができます。

わたし自身、以前は数字のインパクトに引っ張られる感想を持つだけだったところ、いい意味で疑り深くなることができました。

それではまた別の記事でお会いしましょう。

【※続報】

富士通のリストラを「成長に向けたリソースシフト」と称した臨時報告書の公表がありました。

 

それに関して「461億円リストラ」記事として解説をしています。

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