就職氷河期世代に対する自己責任論はあなたの首を絞めることになりますよ!!
Check!! 〜本記事を読んで分かること〜
- 就職氷河期世代へ向けられる「甘え」「自己責任」は本当!?
- 就職氷河期世代の支援はなぜ始まったのか
- 特定の世代を一括りにして批判したりバカにするのはやめたほうがいい
少子高齢化に伴う人手不足を背景に、新卒学生の内定率は高い水準を保っています。
その一方で「就職氷河期」と呼ばれる時代が存在し、多くの非正規雇用社員が長時間労働かつ低賃金の環境下で働いてきました。
そして中年世代を迎えた就職氷河期世代。
身動きがとれない就職氷河期世代の社会的な問題点がようやく認知され始め、対策が実行され始めています。
今まで自己責任論で片付けられてきた中で、この世代がどのような仕打ちを受けてきたのか、「自分には関係ない」と傍観してきた他の世代への影響を考えていきます。
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目次
就職氷河期世代に対する自己責任論は正しいのか
就職氷河期世代が直面してきた現実と、この世代に向けられた「自己責任」「甘え」について解説していきます。
就職氷河期世代が直面した厳しい現実の内容
就職氷河期世代の人は、文字通り就職活動の時期から今現在に渡り厳しい環境に立たされてきました。
ざっと挙げるだけでも
- そもそもの採用数が少ないため内定獲得が困難だった
- 就職後も「お前の代わりはいくらでもいる」環境から、無理難題を安月給で受けざるを得なかった
- 年功序列と終身雇用の恩恵が出てくる時期になってリストラが始まった
といった理不尽で割りに合わないこと続き。
何かのきっかけで爆発し、社会に対する恨みを一気に晴らす危険性を持つ「無敵の人」状態になっている人も多数います。
就職氷河期世代に向けられた「自己責任」「甘え」
このように様々な逆風が就職氷河期世代を襲っても、そのつど向けられたのは
- 自己責任
- 甘え
という厳しい言葉でした。
確かにこの世代にも「エリート」「勝ち組」と呼ばれ経済的にもうまくいっている人がいます。
しかし全体として見れば他の世代より不利な扱いをされているのは明らか。
その責任を個人だけに負わせることの無意味さを長らく関係者は理解しようとしませんでした。
その結果、近年ニュースとなるような「実は日本全体に影響するような深刻な問題だった」ことが表面化し始めているのです。
そんな手遅れの状態になって初めて、関連各所による“早期対応”の策が実行に移されています(“早期対応”は皮肉で書いていますよ、念のため)。
就職氷河期世代の支援策に対する不信感と不快感の原因
就職氷河期世代の人がどんな仕打ちを受けてきて、今も受けているのか。
そんなことは当人たちが大学生の頃から30代40代に差し掛かるまで政府や関連省庁、経済界も分かっていたはずです。
それを今さら対策を始めると言い始めたのには理由があります。
そこには
- 本当にこの世代を助けたい
- 何とかして問題を解決したい
という思い以外の“思惑”がどうしても見え隠れする点で、強い不快感を覚えます。
就職氷河期世代ではなく高齢者世代と政府の都合が見え隠れするため
まずは上の年齢にいる高齢者世代について。
ニュースで見聞きする就職氷河期世代に対する支援策も、結局は高齢者世代のためにやっているんだな、と思わずにはいられません。
少子高齢化の進行により社会保障の支援を受ける人が今後増えていきます。
一方でいわゆる現役世代、特に働き盛りといわれる人に貧困が生じると、社会保障費の資金を集めることができません。
それどころか貧困層が拡大すれば、現役世代にも生活保護を受けざるをえない人が出てくるでしょう。
そうなれば国にとっての支出がさらに増えることになり、財政が圧迫されます。
財政が圧迫されれば、既に年金受給者となった世代にも影響が出てくるでしょう。
この段階になってようやく( ! )就職氷河期世代の支援に本腰という体たらくのわけです。
このような感じでは支援される側も「20年遅い」と文句の一つも言いたくなります。
人手不足の分野への安易な誘導と上から目線の施策のため
あちこちの分野で人手不足は常に起きているくらいの状態になりました。
特に「過酷な労働環境でありながら一般的に低賃金の仕事」については、一年中求人が出ています。
就職氷河期世代の支援について、よく見かけるのが特定分野の仕事をするよう誘導する内容です。
いかにも「仕事がないなら人手不足の業界はどうだい? 待遇は悪いけどね」と言わんばかりの支援策。
結局は「代わりはいくらでもいる」状態で苦しんできたことと変わりないという現実があります。
就職氷河期世代に対する自己責任論はあなたの首を絞めるワケ
「特定の背景を持つ人を徹底的に批判すること」を生きがいにしているような言動を見かけることがあります。
ネットで見られる事例としては
- 生活保護受給者に対する自己責任論
- 特定の世代を一括りにした決めつけ(「これだから“ゆとり世代”は」など)
といった内容があり、就職氷河期世代への甘え批判も当てはまります。
このようなことを繰り返すことで起こるのが、“ブーメラン”。
すなわち自分がその立場になってしまった時、その事実に耐えられなくなり壊れてしまうのです。
例えばエリート街道を突き進んできたサラリーマンを例にしましょう。
そのような人から見れば失業して貧困になっている人など、「甘え中の甘え」ですね。
とはいえ一口に貧困と言っても、事情は人それぞれ。
エリートといえども
- 親の介護
- 自分自身の病気
- 個人的あるいは会社の不祥事
などにより一気に窮地に立たされる可能性があります。
そんな時に普段から人を批判していると、いざ自分が転落した時に耐えられなくなるのです。
世代間で起こる問題も同様です。
人のことを色々と言っている人が、いざ自分たちの世代が何らなの不利な状態になった時、その事実に潰されてしまいます。
こんなはずではなかった! と思いもよらない事態に巻き込まれる可能性は誰にでもあります。
誰かを嘲笑したり言いがかりのような批判をするのは良くないこと。
これは道徳的な意味だけでなく、何よりも自分自身が苦しまないようにするためなのです。
就職氷河期世代の支援は手遅れだ、ただし…
就職氷河期が始まった時期と対策が本格した時期を考えると、「20年は遅かった」状況です。
何かの対策について「20年遅い」ことが身を結びみんながハッピーになることは、ちょっとイメージしにくいですね。
とはいえ「遅い」「不十分」と文句を言うだけでは単なる評論家。
もし自分に関係がありそうで恩恵も受けられるような支援策があれば、積極的に手を挙げていきたいものです。
つまり結局は
ことしかできないのを意識しておきましょう。
就職氷河期世代に対する自己責任論はあなたの首を絞める・まとめ
まとめ
●就職氷河期世代に対する自己責任論は正しくない
- 就職氷河期世代が直面した厳しい現実の内容を知っておこう
- 就職氷河期世代に向けられた「自己責任」「甘え」は一方的なもの
●就職氷河期世代の支援策に対する不信感と不快感の原因
- 就職氷河期世代ではなく高齢者世代と政府の都合が見え隠れするため
- 人手不足の分野への安易な誘導と上から目線の施策のため
●就職氷河期世代に対する自己責任論は“ブーメラン”となってあなたの首を絞める
●就職氷河期世代の支援は手遅れだ、ただし…個人の幸せを自分で追うべし
就職氷河期世代に関して自己責任論とその周辺論点を考察してきました。
今後さらに少子高齢化が加速するに伴い、就職氷河期世代についてのメディアによる検証は増えていくでしょう。
どうか他人事と思わず、問題意識を持って触れていただくきっかけになれば幸いです。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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