「営業がイヤだから事務の仕事をする」のは逃げなのか?
仕事選びは、どうしても「ホンネとタテマエ」が絡んでくる話題です。
端的には、「楽してたくさん給料をもらいたい」といったことですね。
では、「営業が嫌だから事務の仕事を志望する」はどうでしょうか?
真摯にご自身のキャリアと向き合おうとしている誠実な人であるほど「逃げの転職なのではないか?」と考えてしまうかもしれません。
しかし、これからお伝えすることを検討していただいた結果、それでも「営業を辞める」と決断するのであれば、その決断は尊重されるべきです。
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日本人の特性から、同じ場所でコツコツと仕事をする
そもそも、日本人には農耕民族としてのDNAがあります。
「決まった時期に種をまいて、これを育てて収穫する」
この一連の流れは同じ場所で行われます。
一方、狩猟民族はどうでしょう。獲物を求めて移動しながら、一発当てにいくのです。
日本人のDNAはどちらでしょうか?
長年持っているのは、欧米人とは異なる農耕民族としてのDNAです。
外に出て仕事を取ってくる狩猟民族的な能力を誰もが持っているわけではありません。
とすると、営業の適性がないので事務を志望するのも責められることではないのです。
営業を辞めるその前に
ただ、一口に営業といっても、そのカタチは様々で、嫌な要素がどこにあるのか?を検討してからでも遅くはありません。
例えば、お昼で唐揚げ定食を頼んだとしましょう。
その定食には「ご飯、お味噌汁、唐揚げ、キャベツ、たくあん」がついていました。
あなたは「たくあんが嫌いだから全てをキャンセルする」ことなどしないはずです。
たくあんだけそっとよけて、他のものを美味しくいただくわけですね。
営業の仕事も、どの要素なら問題なくて、どの要素が耐えられないのかを紙に書き出し、冷静に判断するようにしましょう。
どうしても耐えられない要素が、あなたも会社も改善の余地がない項目であることを確認する。さらに、別の会社でも営業をしている限り逃れることができそうにない。
営業の仕事を辞めることを決めるのは、それからでも遅くはありません。
事務の仕事をずっとやってきた私からすれば、営業ができるのは素晴らしい才能。
定食の価値から見ればわずかな部分のたくあんを理由に投げ出してほしくないと感じます。
「仕事の価値」の根本に流れる考え方
冒頭で、あえて「逃げの転職」と書きました。
仕事の価値について、そもそも評価の根本に流れる考え方をお伝えします。
それは、子供の頃に体験する「スクールカースト」です。
クラスの人気者を頂点とし、その周辺をうろついている人、大勢いる普通の人と、さらにその下にいる“最下層”に位置する人。
多くの場合、暗い子が下に行きがちで、上にいるのは明るくてコミュニケーション能力の高い層です。
この階層が何となく大人の社会にも存在し、社交的な人はエラく、内向的な人は地位が低くなりがちです。
例えば、芸能人の成功物語などが顕著で、「昔は暗かったけど、何々がきっかけで明るくなり友達もできた」は定番ストーリーですよね。
すなわち、今挙げた階層の話がそのまま当てはまるわけです。
この流れでいうと「上位→営業など、人と関わる仕事、下位→事務など内勤の仕事」となってしまうことに…。
ある所で聞いた話として、酔った営業の人が「経理なんて派遣にやらしとけばいいんだ」ということを言ったそうです。
経理も派遣も敵に回す発言ですが、このように一段低く見る人がいるのは対処のしようがありません。
しかし、営業でバリバリ成果を出す人でも、まったく事務の仕事ができない場合はいくらでもあります。
社会の中で、会社の中で適材適所が達成されれば多くの人が満足できるわけです。
できること・やりたいことを吟味し、あなたの人生を納得のいくものにしていきましょう。
「営業がイヤだから事務の仕事をする」のは逃げなのか? ・まとめ
「営業がイヤだから事務の仕事をする」こと自体は逃げではありません。
適性の問題です。
ただ、営業ができるのは貴重な才能。
即辞めてしまうのではなく、様々な要素を分析し、本当にイヤな部分が営業の根幹であるような場合に辞めるようにしましょう。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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