【AI】事務作業の9割を人口知能で代替することの衝撃と意味
損害保険大手の三井住友海上火災保険で、事務の9割を人口知能(AI)で行うというトピックがありました。
2018年度からのスタートで、全社ベースで見た業務量を2割減らすとのこと。
まず、長期的に見て今後事務の仕事はAIなどの技術に置き換わっていく流れは避けられないでしょう。
ただ、この記事だけを見て
「もうすぐにでも事務仕事は人間がやる仕事ではなくなる!! 」
と声高に叫ぶのは気が早いかな?と感じるのが率直なところ。
このニュースの意味を、事務仕事に従事する立場から考察していきます。
(※目次の項目をクリックすると、その箇所をすぐに読めます)
目次
「事務の9割を人工知能(AI)に」をよく読んでみると?
まず、記事をよくよく見てみると「全事務の9割」ではなく「営業事務の9割」と書いてあります。
営業事務は、事務の中でもとりわけ定型的かつ繰り返しの内容が多く、代替がしやすい分野です。
ですから、各社の記事タイトルには、よりセンセーショナルに見せてクリックさせるための意識があったと見るのが妥当と言えます。
その先の話として、当該記事の中でも触れられているように、その分の労力は他の業務に回されるようです。
ですから、現在事務の仕事に従事している人も
- 提案力を磨く
- 職場内での問題に対し見て見ぬふりをするのではなく積極的に解決に動く
など事務以外のスキルアップになるチャンスをうまく利用すると、いざという時に役立つでしょう。
この話題に関しては「なくなる職業、残る職業」についても書いていますので、踏み込んで考察したい場合はぜひ読んでみてください。
「事務の9割を人工知能(AI)に」を多面的に考察する〜何をAIに代替するのか?〜
そもそも、「〇〇年後になくなる仕事」のようなトピックは、それこそ数十年前からありました。
ですから、はっきり言って“よくある話”なわけですから、「仕事がなくなる」「大変だ」の一辺倒で語るのではなく多面的に記事を考察する必要があると感じています。
日本企業の大多数を占める中小企業においての事務仕事とAIの関係は?
三井住友海上火災保険がどのような企業か?という点を考えてみましょう。
もちろん、大企業ですよね。
当面AI化の流れをリードするのは大企業になってきます。
では、日本企業の大多数を占める中小企業がすぐにでも事務をAIにすることができるかといえば、そんなことはないといえます。
しばらくは初期投資の面で割りに合わないはずです。
もしくは、高度化した部分について人間だからこそ可能な仕事が新たに出てくるかもしれません。
話としてスケールは大きくなりますが、産業革命やIT革命で人間のやることが減ったかといえばそうではなく、むしろ忙しくなってしまった歴史すらあります。
将来、事務的な素養は貴重なスキルになる?〜ただし、一時的である可能性大〜
とはいえ、各種の事務仕事がAIに代替する流れは徐々に広がっていくでしょう。
その結果、事務仕事に従事した経験のある人は減っていくことになります。
そうなると、どのようなことが起こるでしょうか?
わたしは、事務仕事に従事した経験のある人が「一時的に貴重な人材になる」と考えています。
このように書くと、現在そのような仕事をしている人によるひいき目だと思われるかもしれません。
この点、スマホとパソコンを例に考えてみましょう。
近頃、若い新入社員の中に、就職するまでパソコンの電源を入れたことがない人が出てきたそうです。
それは、もちろん「スマホとタブレットしか使ったことがないから」。
すると、しばらくの間はパソコンを使いこなせる人材が貴重な存在になっていきます。
ただ、さらに時代が進めば職場にパソコンすら必要ない流れも加速するはずです。
すると、今度はパソコンが使えても差別化にならない逆の流れが起こります。
すなわち「“一時的に”貴重な人材になる」というのは
- 事務仕事ができる人が少なくなり貴重になる
- ただし、いずれは事務仕事そのものが(人間が行う作業としては)廃れる
流れを意味します。
事務作業の9割を人口知能で代替することの衝撃と意味・まとめ
今度予想される流れをまとめます
- 当面AI化の流れをリードするのは大企業
- 日本企業の大多数を占める中小企業においての事務仕事とAIの関係→しばらくは初期投資の面で割に合わない
- 事務仕事ができる人が少なくなり貴重になる
- ただし、いずれは事務仕事そのものが(人間が行う作業としては)廃れる
ここまで、三井住友海上火災保険のニュースを題材に、事務仕事の未来を考えてきました。
そもそも、入力の作業が多い職場にいる私が、今後生き残っていくためにトピックを多面的に捉えようと、練習をする意味の込めて記事を書いています。
時代のトレンドこそあれ、「絶対に大丈夫な仕事」も「まったくムダな仕事」もありません。
私の文章に同意できる人も全くできない人も、これからの仕事について考えるきっかけになれば嬉しく思います。
また、今回のトピックに関連し事務仕事の未来について考察した記事を書いていますので、ぜひ読んでみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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